職人と言えば、「怖い・汚い・頑固」などのイメージがあると思いますが、実際には、図面を見て、仮設工事をして住宅を建てる建築のプロフェッショナルです。
本来であれば、建築職人がいなければ、私たちは住宅に住むことができないのです。
そんなプロフェッショナルな職人さんは、多い給料を貰っているイメージもあると思いますが、実際には生活はかなりパツパツでその日暮らし感覚の人が多いのも事実です。
では、どうすれば解決するのか?と言えば、「建築職人を早い段階で辞めて、サラリーマンになったほうがいいよ」ということになります。
このページでは、足場職人と塗装職人の実際の給料面を紹介しながら「なぜ?早めに職人をやめるべきなのか?」「職人を辞めて就ける仕事は何があるか?」などを建築会社経営者の私が紹介していきたいと思います。
目次
*2020年2月(補足)
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職人として生きるなら貧乏も覚悟する
職人として、この先も働き続けるのであれば「貧乏も覚悟してください」と、まず初めに言っておきます。
ここ最近、最低賃金が900円に変更になったと新聞で見ましたが、職人の見習いであればあるほど、最低賃金で働くことになります。
1日8時間働き×最低賃金900円=7,200円であり、7,200円×25日出勤=180,000円はかなり辛いです。
ひと昔であれば、
- 見習いで金貰えるから我慢しろ!
- 1年間は雑用だと思え
- 職人の技術は目で盗め
など、よく言われたものですが、今となっては、あまり通用しません。
それもそのはずで、最低賃金で、働かせたり、1年も雑用だけやらせていたら見習い職人さんはすぐ辞めていきます。
ただ、ここで言いたいのは、見習いの期間が終わって職人として認められても、日当10,000円くらいで使われる人が関の山です。古参の職人であれば、15,000円~16,000円ほど貰えることもありますが、それでは生活をしていくのが辛いです。
20代前半までで、一人身の方であれば、生活はできると思います。
日当1万円で、月25日働けば、月に25万円で地方の高卒・大卒の初任給よりももらえる額は多少多いです。
高卒から働く人であれば、職人の給料は多く見えて、羨ましがられますが、実際問題として30代に差し掛かることには、ほぼ、サラリーマンの友人たちに年収面で追い越されます。
この、話を聞くと、「職人を辞めよう」と思いませんか?私であれば、絶対に職人を辞めますし、私の周りの職人は、サラリーマンに転職していきました。
(転職のコツとポイントは、後で説明します)
余談ですが、高卒から職人として働けば、確かに30代後半でも月の総支給で35万~40万ほどもらえる人も、少なからずいますが、それは本当に一握りの職人です。
その中でも、足場屋と塗装屋で職長クラスになり、現場を任せてもらえる人であればの話ですが、センスや現場スキルがない人は到底無理です。
ちなみに、私は職人でありながら24歳ころには、年収1000万を超えました。
それは「独立をし、法人会社を経営した」からです。
(ちなみに経営する会社の粗利は63%と建築職人の中では日本トップクラスだと自負してきます)
ただし、独立しても職人で1000万の年収をもらえるのは、日本の職人で数%だと思いますし、下職であれば、1万~1万5千円で使われるだけで一生が終わります。
若い職人さんたちが、給料前にコンビニで弁当を買うときに、財布の残高を確かめながら購入している姿を見ると、ついつい私が買ってあげたくもなりましたが、お金の大切さを分からすために当時、建て替えたりすることはありませんでした。
このような話を聞いてわかる通り、職人を一生すると貧乏だよってことを、まずはお伝えしたかったのです。
なぜ、職人を早めに辞めるべきか?
なぜ、早めに職人を辞めるべきか?と言えば、先ほど、言ったように給与面での伸びしろがないので、将来的に経済的不安が生じるからです。
家庭をもしも、持っているのであれば、奥さんの本音は
- 福利厚生のある企業へ行ってほしい
- 国保より社保のある会社へ
- 祝日はしっかりと休みがあり、子供と遊んで欲しい
など、安定した生活を望んでますから、転職をしてほしいのが本音ですが、どうしても現場仕事で頑張っている、あなたの姿を見てると、ついつい、言い出せないかもしれません。
もしも、ゆっくりと、奥さんと話す機会があれば、
「サラリーマンに転職しようと思うけどどうかな?」と聞いてみてもいいでしょう。
反対する奥さんは、ほぼいないはずです。
将来的に独立希望があるのなら話は別
将来的に、足場屋もしくは塗装業で独立する志があれば話は別で、職人の道を進むべきです。
正直、上手に立ち回れば、足場屋と塗装屋は儲かります。
足場屋は初期投資が大きくなりますが、リース業ですので、一度購入した部材はよほどのことがない限り、一生使いまわしが利きますし、使えなくなっても鉄ですので売れます。ですが、元請けのパイプを増やさないといけませんので、人付き合いが上手でなければいけません。
塗装屋であれば、初期投資が非常に少なく、受注後に材料発注すれば良いので余分なコストも少なく、洗浄機などもリースすれば、メンテナンスもいりません。また、一人親方として立ち回れば、忙しいときだけ応援の外注を呼んだりして、人件費も抑えることが可能です。
この、足場屋と塗装屋で独立したいのであれば、突き進めば希望は見えますが、私自身はあまりお勧めしません。
なぜなら、
「けがをした時に、収益が入らなくなる」から。
保険に加入してても、現場事故であれば、労災も下りるかわかりませんし、現場外の事故でも現場が止まるので、その期間の収益がなくなります。
蓄えがあれば、話は別ですが、貯金をできていない職人さんがほとんどでしょう。
では、どうすればいいのか?と言えば、サラリーマンに転職するのが一番、無難な選択で、家族にも迷惑をかけることがないと言えるでしょう。
以前に、職人で一人親方になれば儲かると思うと痛い目に遭うから独立は辞めるべき理由を書いてますので読んでみてくださいね。
辞める前に転職活動の準備をする
職人から転職をする時に守るべきルールが2つあります。
それは、
- 職人として働きながら転職活動をする
- 年齢は35歳までが望ましい
この2つがかなりの重要になります。
職人として働きながら転職活動をする
ここまで、見てくれているのであれば「よし!明日職人を辞めて転職活動をするぞ!」と意気込みたくなるのはわかりますが、まずは保険をかけておくことです。
その保険は、職人として働きながら、辞めるまではしっかりと金銭(生活費)を確保するということです。
無職で転職活動をするのは、正直言えば、メンタル的に良くないです。
1か月、2か月と仕事先が決まらないと、生活費の捻出に困り、自分が希望する理想の転職先が見つからず、妥協して希望する条件に合わない企業に転職してしまうと、転職先で「あ~こんなはずではなかったのに・・・」と後悔することになります。
ですので、職人をやりながら、転職活動をすることです。
面接日が決まったら仕事をどうするか?
面接日が決まったのであれば、昼間に面接するのがほぼ一般的ですので、嘘をついてでも休みを取ることです。
仮病でも、身内の不幸でも言い訳はなんでもできます。
職人さんなら、雨が降り仕事が休みになった時に、面接日と重なればラッキーを思うこと。
自分の、未来を変える面接となるので、しっかりと休みを取ることです。
年齢は35歳までが望ましい
転職するのにあたり、職人であれば35歳までに転職することです。
地方企業は35歳までの募集をしているところが多く、36歳以降になるとグンと、面接通過率が悪くなる傾向が多いです。
本来であれば、年齢に上限を付けてはいけないのですが、企業側でも「36歳以降の人を取る勇気」も、かなり賭けになると思います。
ちなみに、私の会社でも35歳までに、職人を転職させました。
理由は、先ほども話した通り、職人として生活するのはキツイと感じるからです。
『就職や転職にはタイミングが必要だよ』が良く分かるお話。こちらも読んでみると参考になるかもしれません
まとめ
職人の給料で生活をしていくのは無理ではありません。
ですが、将来的に給与面で伸びしろが少ないのも事実です。かなりの大きな建築会社であればボーナスも出て安定するかもしれませんが、そんな会社ばかりでもないでしょう。
ですので、建築会社を経営している私の身としては、
「早めに転職をして、サラリーマンのほうが幸せだよ」ってことです。
終身雇用制度も崩壊した世の中ですが、それでも職人の世界にいるよりも、将来性のある企業に転職したほうが良いのです。
20代であれば、20代の転職で失敗しない2つのコツとおすすめ転職サイト3選を参考に
30代であれば、30代の転職で気をつけたい2つのポイントとおすすめ転職サイト3選を参考にしてみてください。
きっと、良い転職先が見つかるはずです。